知っておくと便利な文の基本「単文、重文、複文」
「単文、重文、複文」とは?
文章は、述語によって「単文、重文、複文」に分けられます。
単文は、文中の述語が一つだけの文のことをいい、重文は、一つの文章に並列した主語と述語が二つ導入された文章です。
複文については少々複雑で、「店員は心から謝罪したが、その客は許さなかった。」というように、一つの文に並列しない主語と述語のセットが2組ある文章のことをいいます。
この「単文、重文、複文」の使い方は文章の基本的な「型」なので、十分に知っておいた方がいいです。
「単文、重文、複文」の使い方
「単文、重文、複文」の使い方について、それぞれ例文を用いて解説したいと思います。
まずは単文から。
【単文】
単文は、文の中に主語と述語が一つだけ含まれている文章のことをいいます。
例文)
・私は河川敷を走った。
・彼は学校を休んだ。
「私は」は主語で「走った」は述語。
「彼は」は主語で「休んだ」が述語ということになります。
【重文】
重文は一つの文の中に、それぞれ並立した主語と述語が2組含まれている文章のことです。
例文)
・僕が文を書き、君も文を書く
・彼はランニングをして、たくさん汗を流した。
「僕が」が主語で、「文を書き」が述語、「君が」が主語で「推敲する」が述語ということになり、この2つの主語と述語が一つの文の中に含まれています。
2番目の例文は「彼は」が主語で、「ランニングをして」と「汗を流した」が述語。
汗を流したのは「彼」ですが、同じ人物のため省略したほうが自然です。
【複文】
少々複雑なのがこの複文です。
一つの文の中に主語と述語が2組あるのは重文と同じなのですが、双方並立してない関係を複文といいます。
分かりやすく言えば、主語と述語の中に主語と述語が入っている関係です。
例文)
・私は、彼が作ったカレーを食べた。
・ライオンは、ハイエナが狩った獲物を横取りした。
・私が作ったケーキを彼女が食べた。
重文が(主語+述語)と(主語+述語)なのに対して、複文は、主語{(主語+述語)}述語といったところでしょうか。もしくは{(主語+述語)}主語+述語。
修飾語の中に主語と述語の関係が含まれています。
長文でよく生じる問題点「ねじれ文」
ねじれ文とは、主語と述語の関係が噛み合っていないことです。
接続詞を使った長い文章を書くことで生じやすくなります。
また、一文にたくさんの情報を詰め込んでしまうと、いつのまにか主語と述語の関係がおかしくなってしまうことがあります。
視覚的にも大変読みずらくなるので、見直しの際に違和感を感じたら手直しを入れましょう。
例文)
私が好きな料理は、焼き肉、すき焼き、しゃぶしゃぶなどの肉料理、他には、お刺身や貝料理なんかも好んで食べます。
主語が「私が好きな料理は」なのに対して、述語が「食べます」となっていて主語と述語が噛み合っていません。
手直しをするとなると、次のような感じです。
“私が好きな料理は、焼き肉、すき焼き、しゃぶしゃぶなどの肉料理です。
お刺身や貝料理なんかも好んで食べます。”
こうやって、二つの文に短く分けてねじれを直してあげましょう